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第4章 タグの見方(最重要)

古着で最初に身につけるべき技術が「タグを読む」こと。タグは服の戸籍であり、年代・製造国・素材・真贋のすべての手がかりがここに集約されます。値段の根拠もタグで説明できます。

4-1. タグの種類

1服には複数のタグが付いています。それぞれ役割が違います。

タグ場所読めること
ブランドタグ(ネームタグ)襟元・内側ブランド、ロゴデザイン(年代でロゴが変わる)
ケアラベル(洗濯表示)脇・裾内側素材、洗濯方法、サイズ、RN/CA番号、原産国
ユニオンタグ内側労働組合の証。米国製・年代の手がかり
フラッシャー/下げ札外付け(デッド品)当時の品番・宣伝。残っていれば価値UP
品番・サイズタグ内側型番(ブランド史と照合)

4-2. ケアラベルの「国際表記」を読む

ケアラベル(洗濯表示)には、年代と製造背景のヒントが詰まっています。

  • MADE IN ◯◯(原産国)
    • MADE IN U.S.A. … アメカジでは価値が高い傾向(特に縫製の良い時代)。
    • MADE IN ◯◯無い、または MADE IN U.S.A. が当然だった時代 → 古い可能性。
    • 90s 後半以降、生産は中国・メキシコ・中米・アジアへ移行。「USA製が消える時期」がブランドごとの年代の節目になる。
  • 素材表記の言語数:1か国語のみ → 古い/国内向け。多言語(英仏西…)→ 新しい・輸出仕様。
  • 絵表示(ピクトグラム)の有無・形式:絵表示は新しい時代の特徴。文字だけ("MACHINE WASH WARM" 等)は比較的古い。
  • サイズ表記の形式:インチのみ、S/M/L、cm 併記など年代差が出る。

4-3. RN番号・CA番号 — アメリカ製の年代特定

アメリカで売る繊維製品には、製造・販売業者の登録番号が表示されます。これが年代特定の超重要ツール。

  • RN(Registered Identification Number):米国の登録番号。割り当て開始年が分かっているため、番号の大きさで「これより前ではない」が言える
    • 例:RN番号が大きい=新しい時代に登録された会社、の目安。米国 FTC のデータベース(RN Lookup)で会社名・登録年を照会できる。
  • CA番号:カナダの同様の番号。

💡 実務テク:**FTC の「RN Lookup」**で RN番号を検索すると、その番号を持つ企業名と登録年が出ます。タグのブランド名とRN登録企業が一致するか(=OEM/正規か)の確認にも使えます。

4-4. ユニオンタグ(組合タグ)

この服はアメリカの労働組合員が縫いました」という証。アメカジ・ワーク・ミリタリーで頻出。

  • ILGWU(International Ladies' Garment Workers' Union):レディース系。
  • ACWA / ACTWU / UNITE:年代で名称・ロゴが変遷。
    • ACWA(〜1976)→ ACTWU(1976〜1995)→ UNITE(1995〜)と合併で名前が変わるため、ユニオンタグの名称=年代の決め手になる。
  • ユニオンタグが付く=米国国内縫製の強い証拠(海外移転前)。

4-5. ブランドタグの「ロゴ変遷」で年代を当てる

多くのブランドは、時代ごとにタグのデザイン・色・書体を変えています。これを覚えると一目で年代が読めます。代表例:

Champion(チャンピオン)— タグ年代の王道

タグ通称おおよその年代
刺繍ランナー+筆記体ランタグ(runner)〜80年代前半
単色の織りネーム単色タグ80年代
三色(トリコロール)Cトリコタグ80年代後半〜90年代
刺繍C+ブックレット各種90年代〜

Champion は「タグだけで数千円変わる」典型。詳細は第6章

Levi's(リーバイス)— 赤タブとパッチ

  • 赤タブLEVI'S(大文字E)=ビッグE(〜1971頃)/LeVI'S(小文字e)=スモールe(1971頃〜)。
  • 革パッチ→紙パッチ:戦後、革から紙パッチへ。
  • 詳細は第5章

4-6. 実践:タグ読みの手順

掘り出し物を見つけたら、この順で確認します。

  1. ブランドタグでブランドとロゴ世代をざっくり特定。
  2. ケアラベルの MADE IN で製造国 →(USA製が消える時期の前か後か)。
  3. 素材表記・絵表示・言語数で年代を補正。
  4. RN番号を控えて(必要なら)FTCで照会。
  5. ユニオンタグがあれば米国製&年代を裏取り。
  6. 品番をブランド史・データベースと照合。
  7. ここまでで「年代の幅」を確定 → 値段の根拠(→第12章)にする。

4-7. タグでの「ニセモノ/後付け」サイン

  • タグだけ新しい/古いなど他の要素と矛盾(縫製・生地が年代と合わない)。
  • タグのフォント・色・配置が公式の年代パターンと違う。
  • 縫い付け跡が不自然(タグの付け替え=年代詐称の疑い)。
  • コピー品はスペルミス・ロゴの微妙な比率違いが出やすい。
  • → 真贋の総合判断は第16章

🔑 まとめ:「タグだけで断定せず、タグ+縫製+生地+金具を総合する」。これが年代特定と真贋の鉄則です。

🎯 理解度テスト

理解度テストこの章の知識が入ったかチェック(全3問)
  1. 米国製の年代特定に使える登録番号は?

  2. Champion で最も価値が高いとされるタグは?

  3. タグでの真贋判断の鉄則は?


第3章 素材の知識 | → 次の章:第5章 デニム三大ブランド史

学習用にまとめた教科書です。年代・ディテールには諸説あり・過渡期があります。| 写真:Unsplash