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第12章 値段は何で決まるか

古着の値段は「定価」がありません。需要と供給 × 個体の価値要素で、その都度決まります。ここでは値段を分解して、再現可能に説明できるようにします。

10-1. 値段を決める7つの要素

#要素上げる方向
1希少性(残存数)古い・廃番・特定配色・特定シーズン・大戦中など
2年代ディテールが古いほど(ジャンルにより最適年代は違う)
3ブランド・モデル人気ブランドの看板モデル
4コンディション(状態)キレイ/デッドストックほど高い(※アーカイブは例外)
5サイズ着られるサイズ(中庸〜やや大)が需要大。極端サイズは安い
6ディテール/タグ古いタグ・象徴ディテール(赤耳、ビッグE、ランタグ等)
7トレンド/文脈今流行っているか、誰が着たか(→第13章

🔑 値段=「希少性 × 需要(人気・トレンド)× 状態」。この3軸で説明できないプライスは、見落としか過大評価のどちらか。

10-2. なぜ「古い=高い」とは限らないか

  • 古くても 需要がなければ安い(不人気ブランド・着られないサイズ)。
  • 新しくても トレンドど真ん中なら高い(Y2Kデザイナーズ、人気スニーカー)。
  • ジャンル別の最適年代を外すと評価されない(→第1章 年代観)。

10-3. コンディション(状態ランク)の基準

ショップ・フリマで使われる一般的なランク表記の目安:

ランク状態
デッドストック / S新品未使用・タグ付き
A美品。目立つダメージなし
B着用感あり。小さな汚れ・色褪せ
C使用感強め。ダメージあり
ジャンク / D難あり。リペア前提・パーツ取り
  • 減点項目:シミ、黄ばみ、虫食い穴、襟/袖口のスレ、色褪せムラ、加水分解、リペア跡、サイズ直し。
  • 加点項目:デッド、付属品(下げ札・フラッシャー)、良好な色落ち(デニム)、希少配色。

💡 デニムの「色落ち」のように、使用感がプラスに働く例外がある。状態の良し悪しは「ジャンルの価値観」とセットで判断する。

10-4. 相場の調べ方(リサーチ)

値付け・仕入れ判断は 実売価格(売れた値段) で見るのが鉄則。出品中の希望価格ではなく、SOLD(落札/売却済) を見る。

  1. メルカリ:売り切れ(SOLD)で絞り込み → リアルな実売レンジ。
  2. ヤフオク/ヤフーフリマ:落札相場、オークションの上限が分かる。
  3. eBay:海外相場。Sold items フィルタ。アーカイブ・スポーツは海外が高いことも。
  4. 専門店の販売価格:上限(小売の天井)の参考。
  5. Grailed / Vinted / Depop:海外の二次流通(特にデザイナーズ・ストリート)。

リサーチのコツ:「ブランド+モデル+年代/タグ+状態」 で検索語を絞る。例「リーバイス 501 66 赤耳」「champion リバースウィーブ 単色」。母数を集めて 中央値で考える(外れ値に引っ張られない)。

10-5. 価格構造(仕入れ→販売)

販売目線での値段の作り方:

販売価格 = 仕入れ原価 + 販路手数料 + 送料 + クリーニング/補修費 + 利益
  • 販路手数料:メルカリ10%、ヤフオク等も数%〜。
  • 回転 vs 利幅:安く回す(数)か、高額一点(利幅)かで戦略が変わる(→第15章)。
  • 値付けの型:「相場中央値 −α で即売り」か「相場上限で待つ」か。在庫の現金化スピードで選ぶ。

10-6. 価値が跳ねる「プレミアの構造」

値段が定価を大きく超えるのは、次のいずれかが起きた時:

  1. 供給が止まる(廃番・ブランド終了・本人引退)。
  2. 需要が急増(有名人着用、メディア露出、リバイバル)。
  3. 再評価(後年に文化的価値が見直される=ヴィンテージ化)。
  4. コラボ・コレクター化(限定・ナンバリング)。

📈 つまり「これから供給が止まる × これから需要が増える」物を、需要が顕在化する前に押さえるのが、価値の先回り。トレンドの読み方は第14章

🎯 理解度テスト

理解度テストこの章の知識が入ったかチェック(全3問)
  1. 相場を調べる時に見るべきは?

  2. 古着の値段を決める主因の組み合わせは?

  3. デニムで使用感がプラスに働く例は?


第11章 デザイナーズ&アーカイブ | → 次の章:第13章 なぜ人気か/誰が着ていたか

学習用にまとめた教科書です。年代・ディテールには諸説あり・過渡期があります。| 写真:Unsplash